愛しのカレはV(ヴィジュアル)系

「あ、もうじき頂上だ!」

言われてみれば、ゴンドラはいつの間にかかなり高い所まで上って来てた。
あぁ…人があんなに小さい…



「知ってるか?
頂上でキスしたら、そのカップルは永遠にうまくいくって伝説…」

「えっ!?」



キ、キス…!?
初デートで…キス!?
そ、そんな…まだ心の準備が出来てない。

リクさんの顔がだんだん近寄って来る。
ど、どうしよう!

リクさんのことは確かに嫌いじゃない。
初キスの相手がリクさんだったら…それは、あとあと良い思い出になるかもしれない。
第一、私の年でまだキスしたことないっていうのが問題なんだ。
今時、中学生でもこんなことくらいでおたおたしないよ、きっと。

で、でも…いきなり、今日そんなことになるなんて思ってなかったし。



あーーーーー!



「いって~…」

「わ!」

私は思いっきり、リクさんを突き飛ばしていた。
その反動でゴンドラが大きく揺れる。



「無茶すんなよ。
ゴンドラが落っこちたらどうすんだよ。」

リクさんはゆっくりと立ち上がった。



「えっ!ゴンドラが!?」

こんな高い所から落っこちたら、間違いなく死んじゃうよ!
そんなことを考えたら、今の状況がものすごく怖くなって…



「わーっ!」

私は、リクさんの胸に飛び込んでいた。