愛しのカレはV(ヴィジュアル)系

「おまえは俺のこと、嫌いじゃないって言ったよな?
でも、好きじゃないっていうのはどういうことなんだ?」

「そ、それは……リクさんが無神経だからです!」

「無神経?……俺が?」

リクさんは本気で意外そうな顔をした。
ってことは、まったく自覚なかったんだ。
信じられない!



「そうです!
かつらが取れた時も恥ずかしくてたまらなかったのに、ヅラ子なんて変なあだ名付けるし…
さゆみの前で私に告白した…なんていうし、他にもいろいろ…」

「え?でも、キースにはヅラ子って呼んでほしいって言ったんじゃないのか?」

「え…そ、それは…その…」

リクさんはまた肩を揺らして笑う。



「本当におまえってわけわかんないな!
それで…俺の無神経が嫌いなのに、それでも『嫌いじゃない』って言ったのは、俺にも良いところがあるってとこだよな?
それはどんなとこなんだ?」

急にそんなこと言われたって困る!
どこなんだろう??
あ、さっき、マンボウくれた時は気が利く人だな、優しいなって思った。
でも、私はその前からリクさんのことが嫌いじゃなかった。



どうしてだろう?
リクさんにはいやなこともいろいろされたのに、どうして嫌いじゃないって思っちゃったんだろう?



「何、黙ってんの?」

「ま、まだそれは秘密です!」

「なんだ、それ!?」

だってまだ私にもわからないんだもん。
今は誤魔化しておくしかないよ。