愛しのカレはV(ヴィジュアル)系





「急がなくて良いからね。」

「う、うん、ありがとう。」

まだ鼻は赤いし、腫れたまぶたも急には治らないけど…とりあえず、塗りたくったらさっきよりはましになるだろう。



「……いつ、告白されたの?」

「……えっと…十日くらい前かな。」

本当はもう少し前だったと思うけど、なぜだかそう答えてしまった。



「……あ、そっか…
あんた、講義休んだりしてたの…もしかして、私を避けてた?」

「う、ううん、あれは本当に体調悪くて…」

また嘘吐いちゃった…
でも、やっぱり怖くて認められなかった。



「そう……あんた、今まで私にはなんでも話してくれたよね?
でも、今回のこと話してくれなかったのは……私のことを気遣って……だよね?」

どう答えれば良いんだろう?
肯定しても否定しても、さゆみを傷つけてしまいそうで…
考えてたら、またじわっと涙が込み上げていた。



「何やってんの、また泣いたら、せっかく縫った化粧が取れちゃうよ。」

「う、うん。」

私はハンカチでそっと涙を拭った。



「前に話したことあるよね。
私…キラさんやハルさんにはいろいろとよくしてもらってるけど…
それでも、ライバルであることには違いないって。
私がもしあんたの立場だったとしたら、キラさんやハルさんの事なんて気にしないで付き合うよ。
お世話になってることと、恋愛のことは別だから。」

「……うん。」

「だから、あんたも私のことなんて気にしないで。
そりゃあ、ショックじゃないって言ったら嘘になるけど…
でも、私は絶対に二人のことを誰かに話したりしないし、邪魔もしない。
そのことだけは信じて。」

「そんなこと…言われなくてもわかってるよ。
現にさゆみは瑠威とママのことも黙っててくれてるし、誰よりも信用してるよ!」

「ありがとう…」

私はさゆみの両手を握りしめていた。