愛しのカレはV(ヴィジュアル)系

『何?もしかして、焦らしてる?』

『そんなんじゃありません。
どうしたら良いのかわからないだけです!』



なんでだろ?
さゆみのことがあるからっていえば良いのに、いつもこんな風に違うことを打ってしまう。



『嫌いじゃないなら、付き合えば良いじゃん。』



本当にリクさんって軽いっていうか、チャライっていうか…
バンドやってる人って、やっぱりみんなこんな感じなのかな?



ママと二人の夕飯の時…私は思い切って、ママに訊いてみた。



「ねぇ、ママ…」

「なぁに?」

「あの…変なこと訊くけど…
瑠威に告白された時、どんなシチュエーションだったの?」

「あら…本当に変な質問ね。」

ママはくすっと笑って…
それから、ゆっくりと話し始めた。



「オルガがうちのお店に来て、それから知り合って、そのうちにシュバルツの衣装を作るようになったっていうのは、前にも話したわよね。」

「うん、ママ…最初は瑠威のこと、あんまり好きじゃなかったんだよね?」

「好きじゃないっていうか…私があんまり好かれてないんだろうって思ったわ。
あの頃の瑠威は、愛想がなかったし、そんなに親しく話すこともなかったし。」

「……そうなんだ。」

「でね…ある日、瑠威に呼び出されたの。
衣装のことで話があるって。
私は、他のメンバーも来るもんだって思ってたんだけど…行ってみたら、瑠威一人だったの。」

「へぇ…」

「それでね。いきなり『おめでとう!』って言って、真っ赤な薔薇の花束を差し出されたの。
すっかり忘れてたけど…その日はママの誕生日だったのよ。』

それを聞いた時、私の頭に以前のことが思い出された。
ママの誕生日…ママはそのことを忘れてるみたいだったから、びっくりさせようと思って、お料理をいっぱい作って待ってて…でも、その日、ママの帰りはいつもより遅くて、帰って来た時、真っ赤な薔薇の花を持っていた。
あの時はお友達にもらったって言ってたけど…そうか、本当は瑠威だったんだ。