愛しのカレはV(ヴィジュアル)系

「望結~!固まってるぞ~!」

「えっ!?」

瑠威とママが私を見て笑ってる。



「おまえ、器用だなぁ…
目開けたまま寝てただろ、今。

「ね、寝てないよ!
考え事してただけ!」

「考え事?明日のランチのことでも考えてたのか?」

もうっ!瑠威ったら、私がいつも食べ物のことしか考えてないみたいなこと言って…



「ち、違うよ!
と、藤堂さんの家の片付けのこと!」

「そういえば、望結…藤堂さん、あなたのこと、すごくほめてたわよ。
真面目だし、働き者だって。
あなたのおかげで、事務所も家も過ごしやすくなったっておっしゃってたわ。」

「へぇ…バイトはしっかりやってるんだ。」

「当たり前でしょ。今日も一生懸命働いたから、それで電車でうとうとしただけだよ。」

「そっか。頑張ってんだな。
そりゃあ、どんくさいなんて言って悪かったな。」

やだ…そんなに素直に言われたら…なんだか困っちゃうな。
第一、私、嘘吐いてるのに…却って、罪悪感感じちゃう。



「ま、私がどんくさいのは事実だけどね。」

私はそう言って、笑って誤魔化した。