愛しのカレはV(ヴィジュアル)系

初めての喧嘩だった。



喧嘩なんて、今まで一度もしたことなかったのに…



(なんで、こんなことに…)



情けなくて悲しくて泣きそうだよ…
きっと電話しても出てくれないよね…?
当然LINEもだめだろうな。
……さゆみが落ち着くのを待つしかないか。



なんとも言えないいやな気分…
私は重い足をひきずりながら、電車に乗り込んだ。



なんでこんなことになっちゃったんだろう?
頑張って作ったリクさんの衣装がやっと完成して…
二人であんなに喜んだのに…
その衣装を渡すために、突然、リクさんやキースさんに会うことになって…
四人でとっても楽しい時を過ごした。



なのに、今、私は泣き出したい気分だ。
だって、一番の親友のさゆみと喧嘩だなんて…



私が悪かったのかな?
私があんなことを言ったから?



だよね。やっぱり私のせいだよね。
そもそも、あんなに語っちゃったことからして間違いだったんだよね。
言うべきじゃなかった。
親友だからって、なんか妙に熱くなっちゃって…それがさゆみには偉そうに聞こえたのかもしれない…
いや、偉そうなこと言っちゃったよ。
なのに、自分のことになると、傷付くのはいやだとか、瑠威に言われてるから…とか…
そんなにただの言い訳だよね。
勇気のない私のずるい言い訳…



私の方から謝るべきなのかな?
さゆみとはこれからも仲良くやっていきたいもん。
謝って…私もキースさんの彼女さんになれるように頑張るって言う?



いや…そんなの無理だよ…
どう考えても自信ないもん。
でも、謝るだけ謝ろうかな。



その時、ふとカラオケでのことが脳裏をかすめた。