愛しのカレはV(ヴィジュアル)系

「でも、さっきは…」

「うん…友達って言われたこと、すっごく嬉しかったよ。
でも…その反面、悲しくもあった…
だって、直接ではないとはいえ、私はみんなの前でリクに本気だって告白したのに、リクは全くのスルーだよ。
しかも、友達って言われたってことは、恋愛感情にはなれないってことにも取れるからね。
それに……」

言い淀むさゆみの顔に暗い影が射した。



「それに、私にもわかってるんだ。
万一…運良く彼女になれたとしても、それはきっと一時的なものだよ。
瑠威の言うことは正しいんだよ。
バンドマンなんて、女の子のことをそんなに真剣には考えちゃいない。
飽きたらそれまでだよ、きっと。
でも、わかってても、それでも私は彼女になってみたいって思う。
思うんだけど…それで良いのかなって気持ちも本当はあるんだ…」



そうなんだ…さゆみは、葛藤してたんだね。
単純に、リクさんの彼女さんになりたいって考えてるだけじゃなくて、いろんなことを考えてたんだね…



(まさに、恋だよ…さゆみは本気でリクさんに恋してるんだ…)



すごく今更な感じだけど…私はふとそんなことを感じ…
なんだかさゆみのことをうらやましく思った。
そんなに好きになれる人に出会えるなんて…本当に幸せなことだよね。