愛しのカレはV(ヴィジュアル)系

「ごめん、僕ら、そろそろ練習に行かなあかんわ。」

「そうなんですか。」

「ヅラちゃんら、どうする?
なんやったら、まだおる?」

「いえ…私達も一緒に出ます。」

私達は駅の改札まで二人を見送り…
それから、駅前のカフェに入った。



「あぁ…なんか、今日はいろんなことがありすぎて疲れたね。」

さゆみは、ふう~っと深く息を吐き出した。



「確かにそうだね…
まさか、すぐに渡すなんて思わなかったし。
でも、気に入ってもらえて良かったよね。
来月のライブであの衣装着てくれるかな?」

「残念だけど、それはないよ。
CDのジャケットの衣装…次のライブはあれを着るんだよ。」

「あ、そっか…じゃあ、その次のライブかな?」

「……どうかな?まぁ一回でも着てもらえたら嬉しいけど…期待はしないでおくよ。
ダメだったら、悲しいし。」

「えっ!?だって、リクさん…気に入ってくれてたよ。」

「そんなのわからないよ。
ああいう人たちって、本音と建前が違うことも多いし。」

「えっ!?」

さゆみがなんでそんなことを言うのかわからなかった。
さっきは、リクさんに友達だって言われたことであんなに喜んでたのに…