愛しのカレはV(ヴィジュアル)系

「あんたのママがいてくれて良かったよ。
私達だけじゃ、きっと完成出来なかったね。」

「だよね…私、衣装がこんなに難しいものだとは思ってなかったよ。」

しつけをかけながら、さゆみと話して、しみじみと思った。



(本当…ママがいてくれて良かった…)



わからないことを教えてもらえるだけじゃなく、場所も提供してもらえて助かってる。
最初は部室でやろうかって話もしてたんだけど、ここならわからないことがあった時、すぐにママに聞けるし、なにか足りないものがあった時もたいてい揃ってるから助かるよね。



ひたすらにしつけをして、ロックをかけて…
時には間違えて縫ってしまって、それをまたほどくこともあったけど…
二人でやってるせいか、けっこう進んだ。



次の日には、裏地やらボタンやらを買い込んで…
また黙々と作業に取り組んだ。



「ねぇ、胸のところに刺繍を入れたらどうかしら?
ここだけ、目を引くような鮮やかな色で…」

「それ良いですね!」

刺繍はさゆみが一番得意とするものだ。
きっと素敵なものになると思う。



次の日、私はミシンを担当。
さゆみは、ひたすらに刺繍に取り組んだ。
青い薔薇のデザインを入れることにしたらしい。



そして…一週間程が経った頃…
ついに、リクさんの衣装が完成した。