愛しのカレはV(ヴィジュアル)系





「こんなの絶対出来ないよね。」

「……うん。」



次の日、買った生地を持って、ママのお店に向かった。
二人で相談しながら生地を選んだのは良いけど…
どうやって切れば良いのか、私達にはまるでわかってなかった。
売ってる型紙は、ごくありふれたシャツやズボンのものしかない。
衣装みたいな変わったデザインの型紙は当然売ってなくて…
そのことをママに相談したら、ママが型紙を作ってくれることになった。



「はい、これでおしまい。」

「本当にどうもありがとうございます!」

ママは、お店に来てからすぐに型紙作りに取り掛かってくれてたらしい。
私達がお店に着いた頃にはもうほとんどの型紙が出来ていた。



「こんなにあるんだ。」

「そうよ。
後は、この型紙に沿って、切って縫い合わせるだけ。」

「はい、わかりました!」



テーブルの上に生地を広げて、その上に型紙をまち針で止めていく。



「この型紙通りに、チャコで描いていってね。」

あ、そうそう。
確か、そうだったね。
それで、型紙のまわりに縫い代を残して切るんだよね。
私は、昔の家庭科の授業のことを思い出していた。



「あ!そこは『わ』だから、こうやって折って重ねて切らないと…」

「あ、そっか。」

実際にやってみると、意外と難しい。
ママがいなかったら、とても出来なかった気がするよ。
あ、そういえば、ヘッドドレスも作ろうと思って生地を買ったまま、まだ何もしてなかった。
まぁ、ヘッドドレスと衣装では、難易度も全然違うから、やっててもあんまり意味はなかったかもしれないけど、少しくらいは練習になったかな?



さゆみと二人で、黙々と作業をこなし…
全部のパーツを切り終えたのは、1時間程経った頃だった。