愛しのカレはV(ヴィジュアル)系

「あの…一人で三人分の衣装を作るって、大変じゃないですか?」

「うん、まぁな…」

「私…さっき言ったじゃないですか。
リクさんに衣装をプレゼントしたって…
さっきは嘘だったけど…本当にしちゃだめですか?」

「……どういうこと?」

「だから、リクさんの衣装を作ってみたいんです。」

さゆみ…突然、思い切ったことを言ったね。
衣装なんて作ったことあるのかな?



「そりゃええやん。
リク…作ってもうたら?
衣装は何着あっても困らへんやろ?」

「え…?そ、そりゃあ、俺は構わないけど…」

「ありがとうございます!
私達、こう見えてもけっこう器用ですし、璃愛のお母さんは洋裁のプロなんです。
だから、きっと大丈夫だと思います。」



(……え?)



さゆみ、今『私達』って言った?
ってことは、私も一緒に作るの?



「へぇ、ヅラちゃんのお母さん、洋裁やってはんの?」

「え?あ、あの…今はブティックで働いてるんですが、洋裁学校を出て、長い間お針子さんをしてたので…」

「そうなんだ。
俺のおふくろも…」

言いかけてリクさんは、唐突に言葉を止めた。



「じゃあ、とにかく大丈夫そうだな。
楽しみにしてるよ。」

「リクさん…サイズなんですが…」

「おばさんが知ってるから、帰ってから送るよ。」

「デザインはどうしますか?」

「とりあえず、今回は任せる。」

「わかりました。」

かくして、私達はリクさんの衣装を作ることになってしまった。
大変だなって思うけど…でも、これでもしもリクさんとさゆみの仲が少しでも進展したら…
まぁ、彼女さんがいるかどうかは置いといて…とりあえず、さゆみを応援しなくちゃね…