愛しのカレはV(ヴィジュアル)系

「エリカ…そう目くじら立てるなって!」

瑠威は怖い人に向かってそう言うと、優しく微笑みかけた。



「みんなも知ってるかもしれないけど…
エリカは、シュバルツが結成された時からずっと俺たちを応援してくれている。
俺たちのことを大切に思ってくれてるからこそ、彼女のことが気に障ったのかもしれない。
でも、俺たちは、ファンの子同士がいがみ合うことが一番悲しい。
みんなには仲良くしてほしいと思ってる。
もちろん、気の合わない奴もいるだろう。
ライブには、いろんな年齢、いろんな性格の者たちが来てるんだから。
だけど、そういう奴とは関わらなきゃ良いだけの話だろ?
もめごとだけはやめてくれ。
俺たちのファンは、マナーも良いし、諍いがないってことで、有名なんだから。
……エリカ、わかってくれるな?」

怖い人は、目に涙を貯めながら小さく頷いた。



「ありがとう。
これからも俺たちのこと、応援してくれよ。
頼んだぜ!」

「応援するに決まってるじゃない!」

怖い人は叫ぶようにそう言って、席に着くとわんわんと泣き始めた。