愛しのカレはV(ヴィジュアル)系

「ありがとうございました。」

「こちらこそ、ありがとう。
これからももまた来てくれよな!」

そう言って、瑠威は私の肩をポンと叩いた。



「あ、は、はい。」

瑠威ってば、まだにやにやしてるよ。
完全にからかってるな…



でも、これでなんとか大丈夫…のはず。
一緒に写真を撮ってるのを見たら、さすがに私達がシュバルツのファンだってわかってくれるよね?
そう考えると、どこかほっとした。



ファンとの写真撮影もしばらくしたら一段落して…



「あ、いつの間にかけっこう遅い時間だな。
みんな、終電には気を付けろよ。
……でも、今日は本当に良かったよ。
短い時間とはいえ、みんなと直に触れ合うことが出来て…」

「瑠威さん、ちょっと質問良いですか?」

立ち上がって声を上げたのは、あの怖い人だった。
少し酔っぱらってるみたいで、顔が赤くて目が座ってる。



「何?」

「二股してる人ってどうですか?」

「二股?どういうこと?」

「たとえば…今日はシュバルツのライブじゃないですか。
それも、長いブランクがあった特別の復活ライブですよね。
そんな時に、他のバンドのメンバーにプレゼント持って来て、さらにこの打ち上げには出て、そういうことは知らん顔してメンバーと一緒に写真撮ったりするような二股です。」

そう言って、怖い人は私達のことを射るような視線で睨み付けた。