愛しのカレはV(ヴィジュアル)系

「わぁ…!」

なんだかお店の中がざわざわしてるって思ったら…
CLOWNのメンバーさんが店に入って来てた。
四人は、真ん中の関係者席に座った。



「みんな、楽しんでる?」

「はーい!」

キースさんの言葉に、皆が幼稚園児のような返事を返す。



「シュバルツさん、もうちょっとしたら来るからな。
なんせ、化粧が濃いから落とすんが大変なんや。」

「キースさん、ひどーい!」



席はけっこう近いけど、キースさんとリクさんはちょうど私達に背中を向ける席だから、挨拶は出来ない。
いや、向かい合わせだったとしても、そんなこと、出来ないけど…



「璃愛!」

さゆみが小声でそう言って、小さく指さした。
視線を向けると、シュバルツのマネージャーの小西さんとママが入って来るところだった。



あぁ、恥ずかしいな。
ママも関係者席に座るんだよね。
こんな近くにママがいて…しかも、他人のふりして知らん顔しなきゃいけないなんて…
あぁ、気まずい…



傍を通り過ぎる時、ママはちらっと私を見た。
私のこと、気付いたよね?



あ…小西さんとママ、CLOWNのメンバーとは違う方の席に座ったよ。
私の席からはママの顔が見えるけど…気まずいからあえて視線を合わせないようにした。