愛しのカレはV(ヴィジュアル)系





「アンコール!アンコール!」



それは、メンバーをステージに呼び戻す魔法の呪文。
手を叩き、声を合わせて、私達は叫び続けた。



もうすでに二回のアンコールが行われた。
でも、もっと聴きたい!
もっと暴れて、熱い汗をかきたい。
それはメンバーだって同じのはず。
メンバーもまだ演り足りないはずだよ。



力を込めて、私達はアンコールの声を掛け続けた。



不意にステージが明るくなり、客席から耳をつんざくような歓声が上がった。



「おまえら…本当に粘るなぁ…しつこい奴…俺は嫌いじゃないぜ!」

瑠威の言葉に、またしても甲高い女の子の声が上がる。



「え~…ここで唐突に業務連絡。」



「何~!?」



「今、言うとこ。
黙って聞いてろ。
今日、この後……ファン自由参加の打ち上げを開催します!」

派手なギターとドラムの音、それに悲鳴みたいな声が混じり合う。



「ここから歩いてすぐのロイヤルブルーって店でやるからな。
一応、会費は2000円。」

「ちょっとまけて~!」

キースさんの声だ。
会場はその言葉にどっと沸いた。



「まけるか!おまえらは5000円だ!」

瑠威がキースさんに向かって言い返す。



「僕らはシュバルツさんみたいにお金持ちとちゃうねんで。
堪忍して~な。」



「え~…CLOWNのメンバーは5000円。それ以外はみんな2000円。
誰でも参加OKだから、良かったら残ってくれよな。
久しぶりのライブ成功を、みんなで祝おうぜーーー!」

瑠威の言葉に、みんなが拳を突き上げ声を上げた。



「店の地図は、出口にちらしを置いとくからな。
みんな、出来るだけ参加してくれよ。
来たのがCLOWNのメンバーだけだったら、俺、泣いちゃうぞ!」

「絶対行くよーーー!」

「行くーーー!」

瑠威のジョークにみんなが反応し、そして、アンコールの曲が始まった。