愛しのカレはV(ヴィジュアル)系





「うわぁ……」

藤堂さんは部屋の中を眺めて、とても満足したような声を発した。



「望結ちゃん、本当にありがとう!
君のおかげで見違えるようだよ。」

「そんな…」

「疲れたでしょう?
とにかく、まずはゆっくりして。」

そう言って、藤堂さんは冷蔵庫から冷たいジュースを持って来てくれた。



柱の時計を見ると、かれこれ三時間経っていた。
こんなに一生懸命身体を動かしたのも久しぶり。
流した汗も、なんだか気持ちが良い。



「本当に気持ちが良いよ。
部屋が片付いてるって、こんなに清々しいことなんだね。」

藤堂さん、お世辞じゃなくて本当に喜んでくれてるみたい。
そんな風に言われると、私も嬉しい。



「望結ちゃん、良いお嫁さんになれそうだね。」

「そんなことないです。
ただ…子供の頃から家のことはしてましたから、こういうことは得意っていうか…こういうことしか出来ないので…」

「素晴らしい事だよ。
僕は何時間頑張ってもこんなに綺麗に出来なかったのに…望結ちゃんは本当にすごいね。」

「え…?」

そっか…こういうことだって必要としてる人はいるんだ。



「あ、あの…藤堂さん…
実は、私……」

「どうかしたの?」

厚かましいかな?
もしかしたら、褒めてくれたのは社交辞令かもしれないのに…
でも……



「望結ちゃん…??」

「あ、あの…私、実は今バイトを探してるんですが、その、良かったら…」

「えっ!?これからも来てくれるの?」

「あ、はい、藤堂さんが良ければ…」

「それは助かるよ!ありがとう!よろしくお願いするね!」