愛しのカレはV(ヴィジュアル)系





(う~ん……困ったな。)



次の日、私は学校帰りに早速ママのブティックに向かった。
やる気満々で来たと言うのに、いざ、バイトのことを話そうと思うと、なかなかお店に入れなくて…



(もうっ!私の意気地なし!)



植込みの影に隠れてもじもじしてる私はもはや不審者以外の何者でもない。
今日のところは諦めて帰ろうかな…
そう思った時のことだった。



「あれ…?君、もしかして…」



背中から聞こえた声にちょっとびっくりしながら振り向くと…



(あ……)



そこにいたのは藤堂さん…以前、ママの偽の恋人役をやったあの人。
相変わらず若々しいし、おしゃれで格好良い。
いろいろあったけど…藤堂さんは、さっぱりとママのことを許してくれて…
その後、瑠威を交えて四人で食事に行ったことが二度程あった。



「やっぱり望結ちゃん…!
どうしたの?こんなところで…」

「え?あ、あの…」

「お母さんに会いに来たんじゃないの?」

「あ、そ、その…近くまで来たんで寄ってみたんですが、忙しそうだったので…」

「じゃあ、そこでお茶でも飲もうよ!」



答える前に藤堂さんに背中を押され、私は近くのカフェに連れて行かれた。