愛しのカレはV(ヴィジュアル)系

「ね…さゆみ…
お金はどうしてるの?
さゆみもバイトしてないよね?」

「え?してるよ。」

「嘘っ!?いつから?」

「いつからって…うちが茶店やってること知ってるよね?
家に帰ったら、ほとんど手伝いやってるよ。
もちろん、お金ももらってる。」

「そ、そうなの!?」

さゆみはいつもけっこうお金を持ってると思ったら…なんだ、そういうことだったのか。



「そういえば、あんたのママもお店やってるよね?
手伝ったことないの?」

「え?う…うん、ない。」

「なんで?」

「なんでって……」

特に理由があったわけじゃないけど…言われてみれば、確かにそうかも。
まぁ、共同経営だからママの独断じゃ難しいかもしれないけど…
あ…でも、私は接客っていうのが得意じゃない。
そうだ…理由はそれだね。
しかも、私はおしゃれに関心もなかったし、ブティックの店員さんっていうタイプじゃないもんね。
そうだ、だからママのお店で働かせてもらうっていう発想もなかったんだ。



「お母さんに頼んでみたら?」

「う~ん…私にブティックの店員さんは無理なんじゃない?」

「あ~……」

さゆみ…それはちょっと失礼なんじゃないですか~??
ま、確かにそれは自分でも自覚してるけど…