「美月、このまま1人になっちゃうのかな」


「え?」


「ママもパパもお兄ちゃんも


家に、帰ってこないのかな?」



涙ぐむ、美月ちゃんの声が聞こえる。



「そんなことない。


そんなことないよ。


絶対、みんな帰ってくるから」



あたしは、震える美月ちゃんの体を

そっと抱きしめた。



いくら、話が大人だからって


ほんとは、まだ小学生。



家に、誰もいないなんて


寂しいに決まってる。




「ありがとう、美桜ちゃん…」



美月ちゃんとあたしは、それから少しして


眠りについた。