「これからは、あたしに

いっぱい頼ってね」


「わかったよ。

美桜も、頼れよ?」


あたしは、何度も大きく頷いた。


あたし達、すれ違ってたんだ。


想いは、通じあってたのに。



そして、そっとキスをした。



あたしが、宙人から離れた瞬間に



ガラガラ。

「宙人」


「父さん!」


単身赴任中の宙人の
お父さんが、病室に入ってきた。


何回か、あったことがあって


あたしは、会釈をして


病室を、出ようとした。



「美桜ちゃんも

聞いてくれるか?」


「え…?あ…はい」


宙人のお父さんに、呼び止められて

そのまま、病室に残った。


「すまなかった。


母さんが、倒れた時も来てやれなかった。


宙人が倒れるまで、頑張ってくれてたのに


父さんは、なにもできたなかった。


ほんとに、すまない」


宙人のお父さんは、大きく頭を下げた。