「瑠莉の兄ちゃんには、言えて
俺には、言えないってことか」
宙人は、寂しそうに笑った。
いつもなら、教えろよーって
悪ふざけを、するけど
今は、違う。
きっと、葉太先輩の存在が
宙人の気持ちを、不安定にしてる。
そんなに、宙人は気が弱いのか。
って、みんな言うと思う。
でも、違う。
宙人には、忘れられない過去があるの。
それは、中二の時。
あたし達が
まだ、付き合い始めたの頃だった。
あたしは、宙人と付き合う少し前に
男バスの1つ上の先輩に
告白された。
でも、あたしはほかに好きな人がいるから
って、理由でちゃんと断った。
その、すぐあとにあたしと宙人は
付き合った。
それが、いけなかったのかな。
宙人が、先輩からあたしを奪った。
って、噂が出回った。
宙人は、先輩達に練習に参加するな
って、言われて、雑用ばっかりやらされてた。

