だから、あたしはママのことを
思い出しながら、話し始めた。


「ママは、18歳でお兄ちゃんを産んだの。


まだ若かくって


やりたいこともあったけど


かけがえのないものを
手に入れたって言ってた。


そして、20歳のときに
あたしが産まれた。


ママは、元々体が弱い人で

あたしを、産んだ後

入退院を、繰り返してた。


でも、ママはいつも
笑顔を絶やさなかった。


ほんとは
辛いはずなのに、苦しいはずなのに。


あたし達に、心配かけまいと
ずっと笑顔だった。


ママは、最後に
『幸せだった』って言ってた。


寂しくないって言ったら
嘘になるけど


寂しいのは
パパもお兄ちゃんも一緒だから。


それに、パパもお兄ちゃんも
あたしは、大好きだから!」


あたしは、ニコッと笑った。


「美"桜"~」


鼻水を、ズーズーと吸いながら
泣いている、舞。