あたしは、お弁当を食べながら
聞いた。
「小4だよ」
まだ、そんなに小さいんだ。
「結構年離れてるね」
「うん、まぁね。
でも、かわいいよ?」
まぁ、まだ小4だからね。
かわいだろうな。
「聞いてよ!
私のお母さんね、来なくていいって
言ってんのに
来るって言ってきかないの!
もうほんと嫌だよね」
はぁ。と深くため息をついた舞。
なんか、そういうのいいな。
今思えば
あたし、ママに来てもらったことないや。
「美桜の家は、誰か来るの?」
「あたしは、誰も来ないと思う!
パパは、お店があるし」
「お母さんは?」
「あ。あたしお母さんいないから!」
「うそ…。
なんかごめん…」
一気に、重くなった空気。
「って言っても、病気でね!
べつに、生き別れたとか捨てられたとか
そういうわけじゃないよ!」
あたしは、笑顔を作った。
「いつ、亡くなったの?」
「あたしが、小1のときだよ。
ママは、笑顔が絶えなくって
心の強い人だったんだ」
「美桜のママの話。
辛くなければ聞かせて?」
舞は、ニコッと微笑んだ。

