「俺らも行くか。
じゃねーと、初日から遅刻だぞ」
それは、やばい!
だって、初日から遅刻とか
絶対、先生に目つけられるし!
それだけは避けたい!
「まぁ、あと10分あるから
歩いていっても、遅刻にはなんねーだろ」
なんだ、10分もあるんじゃん。
「ほら、行くぞ」
そう言って、宙人は
あたしに、手を差し出した。
だから、あたしは
宙人の手を握った。
「宙人、モテるからな~。
ちょっと、心配」
「だから、大丈夫だって言ったろ?」
「そうだけどさ…」
「まぁ、モテる男は辛いからなー」
勝手に、1人でうんうん、って頷いてる。
「やっぱり、言わなきゃよかった」
あたしは、睨みながら
宙人に言った。
「そんな怖い顔すんなって。
とにかく!俺の気持ちは変わんねーから
安心しろ。
てか、お前の方が心配なんだけど」
「え?あたし?」
「そうだよ。
だって、しょっちゅう
あ、あの人かっこいい!
とか言ってんじゃん」
「それは、見た目の話!
宙人のことは、性格も含めて
全部が好きだから
話は、べつなの!」
「照れくさいこと、はっきり言うなっての」
「え?なんて言った?」
小声だったから、聞き取れなかった。
「なんでもねーよ」
「なんでもなくないでしょー」
「ほんとに、なんでもねーって。
ほら、美桜の教室ついたぞ?」
宙人はあとでな、って言って
自分の教室に、向かっていった。

