「俺のイケメンな顔に
傷がついたら、どーすんだよ」
「うわ。自分でイケメンとか言ってる。
きも!」
「きもくねーし!」
あたしは、電車ってことも
忘れて、爆笑しちゃった。
「ゴホン!」
そしたら、近くの人に
咳払いされちゃって
二人で、顔を見合わせて笑った。
「あ、宙人。
次、降りる駅だよ」
「わかってるっての」
「宙人、ばかなのに
わかったんだね?」
今度は、ちゃんと小声で笑った。
「お前は、ほんとむかつくな~」
宙人は、あたしの髪の毛を
もしゃもしゃしてきた。
「ちょっと、髪の毛崩れるからやめてよ」
あたしは、髪の毛を整えた。
「てか、もう降りるぞ」
そう言って、宙人は
あたしの手をつかんで
電車を降りた。

