「てか、早くしないと
電車、乗り遅れちゃうよ!」
「あ、そうだった!」
あたしたちは、慌てて
電車に乗った。
ギリギリセーフだった。
「さすがに、座れないね」
満員電車ってわけじゃないけど
座る席は、なくって
立ってる人が、ちらほらいる。
あたし達のこれから通う
春山高校。
通称、春高は、ここの駅から4つ先。
どんな人がいるんだろう。
友達できるかな。ちゃんと話せるかな。
その前に、クラスって
誰と一緒だろう。
瑠莉とは、離れちゃうのかな。
大きな期待と、少しの不安が入り交じる。
お兄ちゃんと、パパは
美桜は、話しかけやすいから
大丈夫だ、って言うけど
正直、宛にしてない。

