「騒がれてることは知らないけど、そうだよ」
桜木くんは照れ臭そうに髪を触りながらそう言った。
「キャーッ!!本物だぁ!!晴人先輩って呼んでいいですかぁ?」
「あ、うん。なんでも好きなように呼んで!」
・・・晴人先輩かぁ。
いいなぁ。
私も桜木くんのこと・・・下の名前で呼びたい・・・。
そう思うと、胸がキュッと締め付けられるような感覚になった。
「やったぁ!晴人先輩!へへへっ」
「そんなに喜ぶことか?」
「喜びますよぉ!」
桜木くんが梨恵ちゃんと仲良さそうに話す姿を見て、私の胸がズキンと痛んだ。
・・・やだ。
桜木くんが私以外の女の子と話しているのを見ると、なんだか胸がもやもやする。
どんどん心に黒い感情が溢れてくる。
・・・これを“嫉妬”というのだろうか。
