しばらくして桜木くんは私を自分の体から離した。
「菅野、泣きすぎ!」
意地悪な口調でそう言った桜木くんだけど、私には優しさにしか聞こえなかった。
私は、持っていたハンカチで涙を拭いた。
そのとき、私は大事なことに気がついた。
「あれ?みんなは?」
桜木くんはここにいるのに、みんなの姿が見当たらない。
桜木くんも迷子になっちゃったの?
なんて、バカバカしいことを考える。
「・・・菅野がいなくなって焦ってたから、みんなのこと忘れてた!」
アハハと笑う桜木くん。
桜木くんの言葉に、私の心が温かくなった。
