「菅野!これってお前のじゃない?」
そう言った桜木くんの手には、少しだけ汚れた私の宝物。
・・・そう。
桜木くんは、私のスケッチブックを持っていたのだ。
「そう!私の!どこにあったの!?」
私は息を切らしながらそう言うと、桜木くんはひとつずつ丁寧に説明してくれた。
「今日部活がないからさ、グラウンドの隅で自主錬してたんだ。
そしたらいきなり大きな風が来ただろ?
その風でボールが飛んでっちゃって・・・。
それを追いかけたらたまたま花壇の影に隠れてたスケッチブックがあってさ。
誰のかなって思って名前とか探してたらローマ字でなつみって書いてあったから、菅野のかなって思って・・・。
菅野、美術部だろ?」
そっかぁ。
じゃあ桜木くんのおかげだね。
「ありがとう・・・桜木くん!」
私は、自然と出た満面の笑顔でそう言った。
