こころをひろいあげて

私は黙って相槌を打った。


「先輩……他に好きな人がいるんだって……俺に飽きてきてるんだって」


「そんな……でもあんなに……」


彼の目から1粒涙がこぼれた


「俺の事もう好きじゃないって、でも俺がモテるからって……都合がいいんだって」

彼は手を顔に当てて静かに泣いていた


「苦しいよね…」


「俺の友達が本人から聞いたんだって……だからスマホ調べたんだ…」


「そしたら……LINEに……」


彼は立ち止まって両手で顔を抑え、今まで我慢していたらしい
涙をぽろぽろ落として泣き始めた