こころをひろいあげて

彼を見つめるくらいで鼓動が早く、高鳴り、止まりそうなくらいなのに

こうやって一緒に帰っているとドキドキして仕方ない……

けど彼は落ち込んでいるから、心配と緊張と嬉しさで気持ちが落ち着かない


そんな中私はいつものチカのように、背中をぽんと叩いて

「大丈夫だよ」

と言った。


私はいつもこの言葉に救われているから

少しでも彼に本音を言ってほしかったから……



「……先輩が……」


彼は少し涙目だった