こころをひろいあげて

どうしたのか知らないけど彼は少し落ち込んでいる、そんな気がした


帰る途中、中庭を覗いたら、チカとあの彼がいた。
お互い微笑んでいる、良い雰囲気だ。

良かった。


「ねぇ、椎名くん。何かあったの」


「え?」


「よく分からないけど沈んだ顔してるから……」


「……うん……ちょっとね」


苦笑いで彼は微笑むと、すぐ落ち込んだ顔になった


「悩み……だったら聞いてあげるよ」


「うん、ありがとう…気持ちだけで大丈夫だよ」


「でも…そんなに落ち込んでると嫌でも気になるから……」


私は顔を上げて彼を見つめた