こころをひろいあげて

「良かった~チカにしか相談しないのかと思った~」

江美が手を伸ばしながら安心したように言った


「まぁ、頑張んなよ」


「ありがとう……ありがとう…チカ」


その日の、苦しい胸の痛みと、友が私を理解してくれていることの喜びで
心は落ち着かないままだった。


そして下校の時間。


いつも通り、江美は真っ先に教室を出て彼氏のところへ……あ、……ほらね
また彼氏が変わってるよ。どうやってるのよ…笑っちゃう


「ばいばい江美!」


「ばいばい!チカ!ねね!立華!」


大きく手を振る江美は彼氏のバイクの後に乗ってヘルメットをかぶって
どこかへ行った