真っ直ぐに見つめられて、あたしは逃げ場を失う。 「知るわけないわ!ってかいい加減離そうか?」 手首を掴まれたままだったことを思い出して、あたしは再び手を振り払おうと身体をひねる。 でも逢坂はもちろんそんなあたしの行動にピクリとも動じず、無視してそのまま続ける。 「正解は、楠森にお前の顔と名前を教えられたから」 「は?!」 この答えに対しても、あたしは驚きを隠せない。 また、思わずひねっていた身体の動きが止まった。