ひとりきりの教室はすごく寂しくて、レモンティーによって温められたその手は氷のように冷たくなっていた。 そして。 「アイツ、浮気男だけど」 ひとりきりの教室に響いた、声。 思わず涙が止まって、あたしはただ固まった。 震えの止まらない、手と身体。 誰の声? 一拍経ってから、あたしはゆっくり振り返る。 「知ってんのかよ」 教室の入口に、彼はいた。 長身で金髪、そしてダボダボのカーディガン。