ゴン。 左手に持っていたレモンティーが、手から滑り落ちて大きな音を立てた。 円柱状のその缶は床を転がる。 信じられなかった。 それでも駿を信じようと思った。 抱きしめられた、優しくされた。 “これからもよろしくね”って、言われたけど。 「っ駿…っ」 ――“彼女として”なんて言われてなくて。