緩めたネクタイに、ダボダボのカーディガン。 耳元には、小さくてもしっかり主張するピアスが光っていた。 その瞳が、睨むようにしてあたしを見る。 「は?なんで俺の名前知ってんの?キモ」 その人はそれだけ言うと、出てきたホットコーヒーの缶を開けてもう誰も座っていなかった近くのベンチに座った。 っていうか初めて話すのにキモいとか失礼だな! 「なんでってそりゃ知ってるよ!学年一の問題児だと有名な!あの!逢坂!蓮也!」 まぁあたしも充分失礼だけど。