多くの人が次の飛行機を待っているなかをかき分けて、あたしは必死に逢坂を探す。 スーツケースを持った観光客に何度かぶつかってしまって、あたしはそのたびに頭を下げて謝った。 「逢坂っ!あいさ…か…」 声は途中から枯れはじめて、涙が混じって。 ついには言葉にはならなくなって、あたしはその場に座り込んだ。 会いたかった。 最後にもう一度。 旅立つ前に、もう一度だけでよかった。 凛夏、って呼んで欲しかった。 ――抱きしめて欲しかった。