ずっと変わらない母親の卵焼きは、いつになってもきっと美味しいと感じるのだろう。


「凛夏はまた今日も昼休みが一番幸せそう」


そう言って笑った未亜は、お弁当箱を包んであるパステルピンクのバンダナの縛り口をほどいた。


そこからは、小さくて可愛いハート型のお弁当箱が顔を出す。


「てか未亜それだけで本当にお腹空かないの?」


あたしは卵焼きを食べながら、あたしのお弁当箱の半分位の大きさしかないかもしれない未亜のお弁当箱を見つめる。