それに応えるように駿の目があたしの目を何秒間か見つめて、気づくと駿の手はあたしの頭の上に移動していた。


「何見てるの?」


小声でそう言って、笑った駿は何度かあたしの頭を撫でた。


その大きな手のひらは、あたしの頭をすっぽりと包んで。


――ほんと、ずるくて最悪。


駿はそれだけ言うと、またあたしの斜め前の席に着席した。