私はちょっと、駿くんを疑い過ぎていたかもしれない。


「逢坂はああ見えて一途で…真っ直ぐで、どこまでも素直なんだ…もし凛夏の想いに応えたら、アイツは凛夏をとことん幸せにするよ」


駿くんを見たまま、私は少し微笑んだ。


「未亜ちゃんには今までたくさん迷惑かけてごめん…これからはもう…別の何かが凛夏のこと守るはずだから」


ボールの跳ねる音。


大きく鳴るホイッスル。


熱気の中に散らばった、声たち。


私と駿くんが笑顔になれた、そんな場所のなかで。


「凛夏のこと、一番好きなのは…私だよっ」


私が笑うと、駿くんも笑って頷いていた。