2人きりになれたことは正直に言って嬉しい。 でも、今自分の気持ちを口にしたばかりだったから…その話題の本題でもあった本人が目の前にいるのが、何だか少し恥ずかしくもあって。 「は?待っててやったのに怖いかよ」 外靴に履き替えてマフラーを巻いて、帰る準備は万端で、やっぱり少し不機嫌な逢坂。 ここまでしても待っててくれたのだと実感すると、少し胸がじんわりとあたたかくなるのが分かった。 「っていうか何で待ってたの?」 あたしの言葉に。 「凛夏が」