それは、あたしが靴箱で外靴に履き替えているときだった。 薄暗い校舎の中、周りには誰もいないと思っていたのに。 「よぉ」 突然耳元で、その声がした。 「怖っ!!逢坂まだいたの?!」 あたしは振り返ると、ただそう驚いた。 駿はまだ来ていない。 時間差でここから出ようとしているのは、もしかしたら駿のちょっとした気遣いかもしれない。 そう、ここにはまさにあたしと逢坂、2人きり。