そのあとの午後の授業。


あたしは大人しく席につき、黒板を見つめてはいたけど、黒板の文字も教師の声も…全部耳を通り抜けて、頭の中には全く入ってこなかった。


あたしの意識はふわふわと宙を舞っていて。


気がつけば、逢坂のことばかり考えていた。


とうとう、教室にまで入ってきた逢坂。


あたしのお弁当箱に入っていた卵焼きを食べて。


それはお母さんが作ったものだったから、逢坂に食べてもらうなら自分で作っておけば良かったなって…少しだけそう思ったりした。