気がつけば逢坂は、とっくに教室から出て行っていた。


「り…凛夏、大丈夫…?」


未亜の声。


「あ…あたし…」


完全に…逢坂が好きだ…――


「近藤さんっ!!どういうことなの?」


一瞬で、あたしと駿の周りにクラスメイトが集まってくる。


でも駿は苦笑いを浮かべながら、何も答えずそのまま教室を出ていってしまった。


それからもクラスメイトの声があたしを襲ったけど、それが頭に入ってこないくらい――


逢坂の言葉と笑顔、そしてあの体温が。


あたしの身体からずっと、離れなかった。