「わっ!!」 それはまるで、駿に見せつけるかのように。 周りからは、ザワザワと聞こえてくる声。 「え?なにあれ逢坂と近藤さんじゃん?」 「近藤さん楠森くんと付き合ってたんじゃないの?」 「よりによって相手はあの問題児?どういうこと?」 全部聞こえてくるのは、あたしの耳だけ? 逢坂のその行動は大胆で、強引で。 「お前だけの凛夏じゃねぇんだよ」 でも――優しかった。 ――そこから離れたいなんて、思わなかった。