今、2つの色で



あたしは思わず立ち上がって、今にも何かの争いが始まりそうな2人の間に入った。


「お…おふたりさん~…昼休みなのでね今は!クラスメイトのかたが凄く心配そうに見つめていらっしゃるのでね、やめていただきたいな~なんて…」


冷や汗と苦笑いを浮かべて2人の視線を遮ったあたしに、何故か2人とも動じなかった。


「…ごめんね凛夏」


それから何秒か無言の空気があたしたちを覆って、それが過ぎてから駿に優しくそう言われた。


そして駿は黙って席に着くと、今買ってきたのであろうそのパンを食べ始める。


そんな駿の姿をじっと見つめる、逢坂。