「あたし卵焼き一番好きなんだから、ほんと最悪」
あたしはそう言って、逢坂のお腹を軽く殴った。
「はい出ました~、凶暴女」
卵焼きをモグモグと食べたままの逢坂は、あたしに殴られたお腹を押さえる。
喧嘩なんて日常茶万事の逢坂にとってはこんなの痛くないくせに、その動作は大げさだ。
「はぁ?!凶暴とかあんたにだけは言われたくないんですけども?!」
あたしが思わず声を上げると、周りのクラスメイトはますますあたしに注目した。
あ、うるさいですね、すみません…。
クラスメイトたちの視線に苦笑いしたあたしを、逢坂は面白そうに笑っていて。

