「もう、泣き虫はずっと変わらないんだからっ」


未亜はそう言って、小さな身体であたしを抱きしめた。


出会ったときから小柄で、か弱くて、小さな小さな腕の中。


でも。


その腕はあたしにとってはとても大きくて、一番安心のできる場所だった。


ありがとう、未亜。


あたしは一歩、踏み出そうと思うよ。


新しい自分を、受け入れようと思うよ。


周りからは、“もっと早く気が付けよ”と思われてしまうかもしれないけど。


だけどあたしとっては、今この瞬間、この場所でこの気持ちになれたことが、自分を成長させる大きな一歩になったから。


これからは少しだけ、自分に素直になってみるよ。


あたしと未亜は顔を見合わせて笑うと、また学校までの道を歩き出した。