「でも新しい恋をすると…いつか傷つくかもしれない、傷つく準備ができずに傷ついてしまうかもしれない…だから凛夏はきっとそれが怖くて、駿くんとを想う気持ちに逃げてる部分…もしかしたら少しあるんじゃないかな」
そう、それはまるで。
今までずっと解けなかった問題の答えを導き出した瞬間のように。
未亜の言葉は、あたしの脳内にゆっくり溶け込んだ。
じわじわと、心が震えだす。
――未亜の、言う通りかも、しれない。
あたしには、このままずっと駿を想い続けなければいけない理由なんてない。
もっと自由に恋愛をしていいはずなのに。
どうしてあたしは駿から離れられないんだろう?
“嫌いになれない”のは、ただの逃げだったの?
違う、それだけじゃないと思うけど。
でもきっと、あたしは自分で自分を決めつけすぎていた。
いろいろな想いと感情が、あたしの脳内をまわって。
そこにあるあたしの冷たい何かが、少しずつだけど…溶け始めているような気がして。

